家を買う時期として多いのが、子どもが生まれた頃や小さいうちです。ただ、住宅ローンは30年以上続く一方、教育費は子どもの成長とともに増え、中学・高校の時期に大きくなります。 購入時点の家計では払えていても、10年後に教育費と重なったときに苦しくならないかを確かめておくことが大切です。 この記事では、文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」の金額を使い、住居費と教育費が重なる20年間を試算します。
学習費の目安(文部科学省の調査)
保護者が子ども1人のために1年間に支出した学習費の平均です。学校に払うお金のほか、塾や習い事などの学校外活動費を含みます。
| 学校 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 184,646円 | 347,338円 |
| 小学校 | 366,599円 | 1,741,516円 |
| 中学校 | 542,450円 | 1,560,359円 |
| 高等学校(全日制) | 596,954円 | 1,179,261円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」。 公立でも、小学校から中学校に上がると年間の学習費は約1.5倍になります。大学・専門学校の費用はこの調査には含まれていません。
試算の条件
- 5,000万円の物件を全額ローン(35年・金利1%固定・元利均等)で購入。毎月の住居費(ローン・管理費・修繕積立金・固定資産税)は179,893円、年間215.9万円
- 購入時に上の子が2歳、下の子が0歳。幼稚園から高校まで公立に通う(高校のみ私立のケースも計算)
- 学習費は上の調査の平均額で一定とし、物価の上昇や児童手当などは含めない
住居費と教育費が重なる20年間
| 期間 | 子どもの年齢 | 住居費 | 教育費(すべて公立) | 合計 | 教育費(高校のみ私立) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1〜5年目 | 上の子2〜6歳・下の子0〜4歳 | 215.9万円 | 25.8万円 | 241.7万円 | 25.8万円 |
| 6〜10年目 | 上の子7〜11歳・下の子5〜9歳 | 215.9万円 | 69.7万円 | 285.6万円 | 69.7万円 |
| 11〜15年目 | 上の子12〜16歳・下の子10〜14歳 | 215.9万円 | 103.6万円 | 319.5万円 | 126.9万円 |
| 16〜20年目 | 上の子17〜21歳・下の子15〜19歳 | 215.9万円 | 47.8万円 | 263.6万円 | 94.3万円 |
購入した1年目はまだ子どもが幼稚園に入る前で教育費はかかりませんが、2人が中学・高校に通う時期に増え、すべて公立でも16年目(上の子17歳・下の子15歳)に年119.4万円になります。 住居費と合わせると年335.3万円で、1年目より約119.4万円多くなります。 2人とも高校が私立の場合、16年目に教育費だけで年235.9万円になります。
ポイント:住宅ローンの返済額は一定でも、家計全体の支出は購入から10〜15年後に大きく増えます。購入時の家計で「毎月払える」かどうかだけでなく、教育費が増えた後も払えるかで借入額を考えることが大切です。
重なる時期に備える方法
借入額に余裕を持たせる
返済負担率の上限まで借りると、教育費が増えた時期の余裕がなくなります。教育費のピーク時の家計で住居費を払えるかを基準に、借入額を決める方法があります(年収からいくらまで借りられる?)。
教育費は早めに積み立てる
子どもが小さく教育費が少ない時期に、将来の差額を貯めておくと、ピーク時の負担を和らげられます。大学進学の費用は高校までより大きくなるため、別に準備が必要です。
金利上昇との重なりに注意
変動金利で借りる場合、教育費のピークと金利の上昇が重なると負担が一気に増えます。金利が上がったときの月額は金利が1%上がったら月々いくら増える?で確認できます。
繰上げ返済の時期を考える
早く繰上げ返済をすると利息は減りますが、手元の現金が減ります。教育費のピーク前に現金を使い切らないよう、繰上げ返済は教育費の見通しを立ててから行うのが安全です。
住宅ローン控除を確認する
19歳未満の扶養親族がいる世帯は、住宅の省エネ性能によっては住宅ローン控除の借入限度額が上乗せされます(住宅ローン控除はいくら戻る?)。
自分の条件で確かめるには
かんたん試算で毎月の住居費を出し、子どもの年齢に合わせて上の学習費を足してみてください。 教育費がいちばん多い年でも家計が回るかを確認しておくと、借入額を決めやすくなります。